建築探検家・路上生活者研究家 の 坂口恭平 が実 在の人物を徹底取材して描いた、初の書き下ろし小説
『love-ラブ-』

■物語概要■
 
 ある朝、硯木正一(50歳、職業:土方 現在無職)は無一文になってしまう。全財産をもった鞄をうっかり酔って公園で寝ていたらスラレてしまったのだ。
 天性の前向きキャラクターの硯木は「金のない奴は橋の下」と、東京 都台東区浅草の隅田川にかかる言問橋の下で寝ることにした。すると昔からそこを寝床にしている路上生活者たちがたくさんいた。
 そんな路上生活者たちは、最悪な環境で過ごしているのかと硯木は思っていたが、なんと三食、 酒、タバコありの優雅な生活。アーティスト気取りで作品作りに没頭し ている奴もいる。
 その後硯木は、その界隈のカリスマ、仙人、ライフスタイルアドバイ ザーとして君臨するモチヅキに出会う。彼はほかのホームレスに生きるアイディアを提供している存在なのだ。そうして彼から東京の驚くべき実態、欲しいものは何でも落ちてること、そしてそれがちゃんとお金になることを教えてもらう。
 次第に硯木は、この生活で自分の才能を発揮し、発明王としてその名を轟かせていく。
発売日:
2008年4月24日(木)
定価:
1,300円(税抜き)
ISBN:
978-4-89998-088-9 C0093
仕様:
四六判並製 角背 256ページ
  

著者・装画・挿絵 : 坂口恭平(さかぐち・きょうへい)

1978年 熊本県生まれ。
2001年 早稲田大学理工学部建築学科卒業。
大学在学中から、大規模な現代建築を設計する建築家に疑問を持ち、人が本来生きるための建築は何かを模索し続けている。 主な肩書きは、建築探検家・アーティストだが、ほかにもエッセイス ト、絵描き、ミュージシャンの顔をもつ。 著書に2004年「0円ハウス」(リトルモア)、2008 年「TOKYO 0円ハウス 0円生活」(大和書房)がある。 本書「隅田川のエジソン」は、著者初の小説である。

http://www.0yenhouse.com/